臨床検査値の読み方

赤血球数(RBC)・ヘモグロビン(Hb)

赤血球は血液中で酸素を運ぶ血球成分です。赤血球中にある赤い色素がヘモグロビンと呼ばれるタンパク質で、これが酸素と結合し体の隅々まで酸素を運びます。

酸素を運ぶ本体がヘモグロビンなので、ヘモグロビンが低下する場合を「貧血」と呼ばれ、体に酸素が十分供給されない病態です。
(貧血の定義はヘモグロビンの低下であり、赤血球数の減少ではないところに注意!)

赤血球関連検査の読み方

ヘモグロビン(基準値 男性13.5~17.6g/dL 女性11.3~15.2g/dL)

赤血球関連検査で最初に見るのがヘモグロビンです。
①ヘモグロビンが低下⇒貧血
②ヘモグロビンが10g/dLを下回っている⇒重度貧血

MCV(赤血球容積※)(基準値 男女とも 80~100)※要は赤血球の大きさのこと

次に貧血の原因をMCVで見ます。
①ヘモグロビンが低下しMCVが基準値より低い場合⇒鉄欠乏性貧血
②ヘモグロビンが低下しMCVが基準値内である場合⇒二次性貧血※
(※二次性貧血:別の疾患が原因で貧血を起こしている病態)
③ヘモグロビンが低下しMCVが基準値より高い場合⇒肝臓や胃切除した方

様々な病態で貧血を起こしますが、頻度としては上記の病態が多いのです。

白血球(WBC)

白血球は、体に必要なものと不必要なものを見分け、不必要なものを排除する「免疫」を司る血球成分です。

“異物”でも栄養成分など体に必要なものは反応せず(免疫寛容といわれます)、細菌やウイルス、毒物など体に不要なものを排除する働きがあります。

検査データで示される白血球数は1マイクロリットル(μL)(1μLは1mLの1/1000)中に白血球の数がどれくらいあるかを示しています。

 

白血球関連検査の読み方

白血球数(WBC)(基準値 3500~9000/μL ※基準値は医療施設により若干異なります)

 白血球数が増加する場合は、体に不要なものがあり、白血球の数を増やして異物を除去しようとしている証拠です。①感染症や②炎症を引き起こしている可能性を示しています。

また、異物があるなしに関わらず、目的も持たずに白血球が増殖してしまう病気が③白血病です。

白血球数が減少する場合は、①白血球が生まれる“骨髄”の働きが低下している場合、②異物が大量にあり白血球が消費されすぎてしまっている場合、③血液が大量に出血してしまう場合、④薬による副作用など様々あります。

 

白血球には様々な種類があり、それぞれの役目があります。詳しい血液検査では「白血球分画」と書いてある部分が白血球の種類が書いてある部分です。

<好中球>

白血球の中で最も多く存在します。主に細菌や壊れた細胞を処理します。明らかに体にとって不要なものであると認識しやすいものに対して反応し、除去します。

好中球(Neutropil)(基準値 割合として25~72%、数として1800~7500/μL)

現在の血液検査では、“割合の基準値”として示されている場合が多いのですが、正確に検査データを判断するためには白血球中の好中球の「数」を見ることが大切です。

好中球の数=白血球数(WBC)×好中球の割合(%)

「数」を計算して、「数の基準値」に合致しているかどうかで判断します。

 好中球数が増加する場合は、①細菌感染症や炎症性疾患、②白血病などの病気のほか、③肉体的・精神的ストレスでも増加します。

 好中球数が減少場合は、白血球数が低い場合と同じです(白血球中に最も多く含まれるため、好中球の増減と白血球数の増減は一致する場合が多いのです)。

 

<リンパ球>

 白血球の中で2番目に多く存在します。主にウイルスやがんを処理します。体の成分と似ていても体にとって不要なものを見極め、除去します。リンパ球は好中球に比べ高度な働きを要するため、十分な教育を受けて初めて血中で働くことができます。

 他にも単球(マクロファージ)、好酸球、好塩基球という白血球が白血球分画で表示される白血球の種類で、好中球やリンパ球と共に身体を守ってくれています。

リンパ球(Lymphocyte)(基準値 割合として17~58%、数として1000~4800/μL)

好中球と同様に「数の基準値」を参照することが大切です。

  リンパ球数=白血球数(WBC)×リンパ球の割合(%)

リンパ球数が増加する場合は、①ウイルス性感染症、②リンパ性白血病、③内分泌疾患(バセドー氏病やアジソン病など)、④小児期です。

 リンパ球数が減少する場合は、①ステロイド投与時、②骨髄でリンパ球が作れない場合(抗がん剤や放射線療法、他薬剤)、③免疫不全(AIDS)、④肉体的・精神的ストレスです。