EPA・DHAとは

あぶらの種類

あぶらには「脂」と「油」に大きく分けることができます。

 「脂」は主に常温で固体のあぶらを示し、動物の脂を主とする飽和脂肪酸で構成されているあぶらです。

 「油」は主に常温で液体のあぶらを示し、植物や魚の油を主とする賦飽和脂肪酸で構成されているあぶらです。「油」には、植物油に多く含まれるω-6脂肪酸、魚油やエゴマ油に多く含まれるω-3脂肪酸、オリーブ油に多く含まれるω-9脂肪酸などに分けられます。

ω-3脂肪酸

ω-3脂肪酸の中にはEPA(エイコサペンタエン酸)、DHA(ドコサヘキサエン酸)などが含まれており、その働きは古くから世界中の研究者たちに研究されてきました。そして、WHO(世界保健機構)やFDA(米国食品医薬品局)等でもω-3脂肪酸の摂取が推奨されています。

 国内でも、消費者庁機能性評価結果においてEPAやDHAは、様々な疾患や症状に対して有効であることが証明されています。

現代に必要なω-3脂肪酸

 非常に有用なω-3脂肪酸ですが、現代の日本の食生活において、青魚に多く含まれるω-3脂肪酸が不足する一方で(図3)、サラダ油などの食用油に多く含まれるω-6脂肪酸が過剰に摂取されています(図4)。

 ω-6脂肪酸を摂りすぎますと、細胞膜中にω-6脂肪酸が取り込まれ、ω-6脂肪酸からアラキドン酸へ、アラキドン酸からプロスタグランジンE2(PGE2)などの炎症性物質に変化してしまうのです。すると少しの刺激で炎症が起きてしまったり、アレルギー反応が高まりかゆみや皮膚炎を起こしやすくなるのです。

 ω-3脂肪酸は、同様に細胞膜へ取り込まれますが、ω-3脂肪酸からできたプロスタグランジンE3(PGE3)は炎症を引き起こすことはありません。

 もちろん、ω-6脂肪酸もω-3脂肪酸も身体に必要な成分なのですが、重要なのは摂取する比率なのです。日本脂質栄養学会では、ω-6:ω-3の推奨摂取比率は2:1ですが、現代日本の摂取比率は5:1、子どもにいたっては7:1となっており、アレルギー疾患発症の危険水準を超えている状況です。

 アレルギーだけではなく、消費者庁機能性評価項目にある疾患や症状が現代日本で増えているのもω-3脂肪酸の摂取不足が影響していることが原因とも考えられています。

まだまだこれから期待されるω-3脂肪酸

上記の消費者庁機能性評価項目以外にも、ω-3脂肪酸は注目されています。

持久力向上と疲労軽減

身体の末梢に広がっている毛細血管は、赤血球の幅よりもせまく、赤血球は形をすぼめて入り込んでいきます(赤血球の変形能)。しかし、植物油から変化したアラキドン酸が多いと赤血球の膜が硬くなりうまく毛細血管を通過することができず、末梢の組織に十分酸素が届けられず持久力の低下や疲労につながります。EPAを摂取することで、EPAの働きにより赤血球の膜がやわらかくなります。すると非常に細く滞りやすい毛細血管の中に赤血球が入り込め、毛細血管の流れがスムーズになります。赤血球と一緒に運ばれる酸素もくまなく供給されることでばてにくい身体がつくられます。

ダイエット効果

いままでEPAは中性脂肪低下作用が注目されていましたが、それだけでダイエットに良いわけではないということがわかってきました。EPA摂取により“痩せるホルモン”と呼ばれるGLP-1の分泌が促進。食べる量が少なくても満腹感があらわれ、消化のスピードがゆっくりになることで満腹感が持続します。さらには空腹時のイライラ肝や血糖値の急激な上昇を抑えることで体脂肪の増加をより抑えてくれます。

その他、たくさんのω-3脂肪酸の研究が日夜行われています。海に囲まれた日本という海洋資源が豊富であり、その海からの恵である“ω-3脂肪酸”は現代における必須の栄養素のひとつなのです。